泥人形のお内裏様
 岡山県津山市のひな祭りでみた泥人形のお内裏様。残念ながら1体しかなかったが、着物の部分も泥人形でできた結構大きいひな人形だ。
なつかしい。もう50年ほど見ていなかった。やっぱりあったのだ。幻ではなかった。見られてよかった。
 近年、古いひな人形展を見るが、ミニチュアの泥人形はいくつもあるのに、デンと立派なものは見かけなかった。他の人に聞くが見たことが
ないという。それが、実家にはお内裏様もお雛様も、三人官女も五人囃子も泥でできた立派なものがあった。ただ鼻や手がとれていた。
一畳ほどの大きさの高さ1メートルぐらいの巨大な箱に入ってしまわれていた。団塊世代の私が見たのは小学校の低学年のころだ。
 祖母が死んだあとは飾られなかった。祖母が子供のためにそろえたものだと聞いていた。祖母の子供は大正時代に生まれた父や叔父叔母たちだ。
 今頃になって、岡山県の久米が泥人形の産地だったと知った。
 
 袖の丸い穴から手を差し込むようになっている。手は何か長いものを持っていたと記憶している。